文才がない人のぶろぐ

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本の紹介 マクロ経済学編

ミクロ経済学編に引き続き、マクロ経済学でオススメ出来る参考書を紹介していきます。経済動学が自分の専門のひとつだったので本の紹介が多く出来そうです。

 

学部1年~3年

マンキュー・マクロ経済学

マンキュー マクロ経済学I入門篇(第4版)
 
マンキュー マクロ経済学II 応用篇(第4版)
 

有名な経済学者が書いた教科書。マクロ経済学ミクロ経済学とどのように違うか、またマクロ経済学で出てくる概念をわかりやすく書いています。数学をなるべく使わずに、マクロ経済学のエッセンスを伝えています。学部レベルの内容はこの本で基本的に大丈夫だといえる。

 

New Liberal Arts Selection マクロ経済学

マンキュー・マクロ経済学と同様に学部で習うマクロ経済学が書かれている教科書。最初のうちはマンキューの内容を細かく説明するするくらいの違いだが、後半はSolowモデルやRamseyモデル、ニューケインジアンモデルなどが書かれており、扱っている幅はマンキューよりも多い。簡単な本を一冊読み終わった後にこれを読むと、細かいところまで内容が理解出来るかもしれない。

 

学部4年~修士2年

マクロ経済学は大学と大学院で雰囲気がガラリと変わる。大学院のマクロモデルは数学をたくさん使う。(たくさん使うことが良いことだとは思わないが。)時間を通じた最適化問題(動学問題)を考えることになるので、ハミルトニアンとかベルマン方程式とか、確率制御(たまに)を解けるようにならないといけない。また、現代ではマクロモデルを計算機を使って解くのでプログラミングもかじることになる。ただ、基本的には計算を追えれば良いのでガッチリの数学書アルゴリズムの計算量の本をやる必要はないと思う。(やっても良いが。)

上級マクロ経済学

上級マクロ経済学

上級マクロ経済学

 

大学院のマクロの教科書の定番と言えばまずこれ。とりあえず一通りの内容が書かれている。これで動学問題の感覚を養うのが良いと思う。ただ、動学問題がだいたい分かる前提で書かれているので、動学問題を少し解けるようになってからの方が良いかもしれない。

 

新しいマクロ経済学

新しいマクロ経済学―クラシカルとケインジアンの邂逅
 

上の上級マクロ経済学よりは扱っているトピックは少ないがその分、一つ一つの内容が深掘りされており勉強になる。数学的には上の上級マクロ経済学と同じか少し簡単くらいのレベルなので、上級マクロ経済学と併せて読むと良いかもしれない。

 

現代マクロ経済学講義

現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門

現代マクロ経済学講義―動学的一般均衡モデル入門

  • 作者:加藤 涼
  • 発売日: 2006/12/01
  • メディア: 単行本
 

 この本はマクロモデルのRBCモデルの紹介から始まり、RBCモデルがもつ欠点を克服するようなモデル(DSGE モデル)をその以後の章で紹介している。ニューケインジアン・Calvo型のモデル設定やKiyotaki and Mooreのモデルを紹介しており、RBCからどのようにマクロモデルが発展してきたかが分かる本でもある。

 

Dynamic Economics

Dynamic Economics: Quantitative Methods and Applications (The MIT Press)
 

今までの本はマクロモデルの定常均衡を紙と鉛筆で求め、位相図を使い均衡がどのように変化するか考えるものが多かった。しかし、現代のマクロはモデルを組んだら計算機を使って解くものがほとんどである。(解析的に求めるのは難しい。)この本は動学問題を解くアルゴリズムValue function IterationやPolicy function Iterationの擬似コードが載っている。扱っている内容も上級マクロ経済学と同じくらいかちょっと少ないくらいなので、非常によい本だと思う。

 

マクロ経済学講義

扱っている内容は少し古いが、代表者モデル・世代重複モデルの細かな内容やターンパイク定理などが書かれており、マクロモデルの数学的な内容が勉強出来る。古い本なので、計算機のコードとかは書かれていない。ここまで来るとマクロを専門にする人しか読まないかもしれない。

 

Recursive Macroeconomics

Recursive Macroeconomic Theory (The MIT Press)

Recursive Macroeconomic Theory (The MIT Press)

 

新古典派の代表的なサージェントが書いてもいる現代的なマクロ経済学の教科書。非常に分厚いがこの本を読みこなせると、研究に入れるかもしれない。コードなどは書かれていないが、計算機でモデルを解くという意識でモデルが立てられている。代表者モデルを超えた、非完備市場モデルが書かれており現代のマクロモデルを堪能出来る。

 

Interst and Prices

 ニューケインジアン的な立場で書かれたマクロ経済学の本。金融政策の有効性についての議論が沢山書かれている。非常に難しいと思われる。英語が苦手な私は苦戦し、読破出来なかった。