文才がない人のぶろぐ

思ったこと・興味あることを適当に書いています。

本の紹介 ゲーム理論・メカニズムデザイン編

今回は大学院では数理経済学という名で講義が開かれているだろうと思うミクロ経済学の発展系の本を紹介していく。ミクロ自体は専門ではないので洋書は紹介出来ない。すいません・・・。

 ゲーム理論

経済学のためのゲーム理論入門

経済学のためのゲーム理論入門

 

この本は学部レベルのゲーム理論はこの本だと思う。理論と応用の割合がちょうどいい感じになっている。重要な定理などには簡単な証明もついているので理論も勉強出来るし、そのあとには経済学における応用例も書かれているので勉強がしやすい。とりあえず、ゲーム理論の理論系に進む予定がなければこの本をしっかり押さえておけば問題はないと思う。またこの本で扱っている内容は非協力ゲームだけなので、協力ゲームを勉強したい場合はこの本は向かない。大学での指定参考書であった。

 

ゲーム理論 新版

ゲーム理論 新版

  • 作者:岡田 章
  • 発売日: 2011/12/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 次に紹介する本は岡田のゲーム理論である。レベル的には修士1年くらいだと思う。この本は理論書なのでゲーム理論の解の定義、概念を説明した後に定理、証明、例と続く。和書でこの本より詳しいゲーム理論の本はないと考えられる。ギボンズで扱っていなかった協力ゲームも書かれており、一通りの内容を知ることが出来る。この本を100%理解出来たら洋書もたぶん怖くないと思われる。大学上級から修士一年のときに勉強した。かなり苦戦したがゲーム理論の奥深さを知ることが出来た気がする。

 

協力ゲームの基礎と応用

協力ゲームの基礎と応用

  • 作者:中山 幹夫
  • 発売日: 2012/09/01
  • メディア: 単行本
 

 協力ゲームについては中山の本で勉強した。岡田の後半に書かれていた協力ゲームについて詳しく書かれており、岡田ではなかなか理解しにくかったところもこちらの本を読むことで理解が出来たりする。協力ゲームに関してはあまり和書では本がないのでとてもありがたい本だと勉強しているとき思った事を覚えている。(私が知らないだけかも知れないが・・・。) 

 

カニズムデザイン編

カニズムデザインはいわゆる制度設計の理論でミクロ経済学理論分野ではhotなtopicだと思う。(それでもたぶん基本的な発見は終わったと思うが。)

 この本は数学的なレベルも押さえつつも最先端のオークションの理論やマッチングの理論を紹介しており、メカニズムデザインの応用先であるオークションやマッチングがどんな分野かを知ることが出来る。また、実際に現実の社会に応用されやすい分野でもあるので勉強していて楽しいと思う。

 

 上記の坂井の本をもっと数学的に厳密に、かつオークションやマッチングのような応用だけではなく社会選択理論や遂行の話まで、メカニズムデザインを厳密に学ぶための一通りの内容が書かれている。記述スタイルは定義、定理、証明、例の順番で書かれている。また、軽く位相数学を理解していると分かりやすいかもしれない。内容は上に書いたように濃密で、理解することが出来たら気になる参考文献をあさり、研究の入り口に立てると思う。大学院の修士1年の夏休みの時にじっくり読んだ。とても面白く、専攻変えようかなと冗談半分で思ったのを覚えている。

 

オークション理論

オークション理論

 

 オークション理論に特化したクリシュナの本を日本語訳に翻訳した本。オークション理論の大家が書いた本を日本語で読めるのはかなり嬉しい。ただ内容も結構難しい。重要なファーストプライスオークションとかセカンドプライスオークションなどはこの本で勉強した。しかし、読破はしていない。暇の時でもまた読もうかなと思っている今日この頃である。

 

 こちらの本はゲーム理論と書かれているが本質的にはマッチング理論の本。マッチング理論の内容をただ説明するだけではなく、離散凸解析的な見方をした場合、どのような解釈をすることが出来るかなどが書かれている。内容的にはマッチング理論に進みたい経済学系の院生や情報系の院生が対象だと思う。大学院修士一年の時に軽く読んだ。