2020年 センター試験 数学II・B 第二問
第二問はいつもおなじみ微分積分です。やっていることは教科書の章末問題+αくらいですが、計算量が多いです。センター試験は計算力を試しているテストなのかもしれない。また、(2)と(3)の関係に気づき、誘導に乗れたどうかが大きなポイント。
(1)
Cの放物線y=x^2+2x+1の接線は接線の公式より、
y-(t^2+2t+1)=(2t+2)(x-t)となる。これを計算すると、y=2(t+1)x-t^2+1・・①
次に、Dの放物線y=x^2-(4a-2)x+4a^2+1の接線の方程式は
y-(s^2-(4a-2)s+4a^2+1)=(2s-(4a-2))(x-s)となる。
これを計算すると、y=2(s-2a+1)x-s^2+4a^2+1・・②
①と②は同じ式なので、傾きの部分とy切片に関するところで次の関係が成り立つ。
s-2a+1=t+1・・③、-t^2+1=-s^2+4a^2+1・・④
この③と④の連立方程式を解くと、s=2a,t=0となる。
これを①に代入すると接線lが求められる。lの式はy=2x+1である。
(2)y=x^2+2x+1とy=x^2-(4a-2)x+4a^2+1の連立方程式を解けば良い。答えはx=a
接線lと放物線Cはx=0で接する。接線lよりも放物線Cの方が上にある位置関係である。よって、S=∫[(x^2+2x+1)-2x-1]dx=∫x^2dx=[(x^3)/3]=(a^3)/3になる。
(3)放物線Dは放物線Cより右上にあり、接線lと放物線Dは放物線Dの右側で接する感じである。この位置関係で、面積が変化しないのは放物線Cと放物線Dの交点が今考えている定義域0≦x≦1に入らない状態になるときである。
よって(2)の答えを利用し、a>1の時に面積が一定になり、その値は1/3である。
次に求めたい図形は、定義域0≦x≦aの時、放物線Cと接線lに囲まれた図形で、定義域a≦x≦1の時放物線Dと接線lに囲まれた図形である。よって、面積は
∫[(x^2+2x+1)-2x-1]dx+∫[(x^2-2(2a-1)x+4a^2+1)-2x-1]dx これを正しく計算すると、
=-2a^3+4a^2-2a+1/3
(4)U=2T-3S=-5a^3+8a^2-4a+2/3・・⑥
これをaに関して、微分して計算する。
U'=-15a^2+16a-4
U'=0として計算すると、a=2/5,2/3となる。今、a≧1/2なので、a=2/3となる。
これを⑥に代入して計算すると2/27となる。