文才がない人のぶろぐ

思ったこと・興味あることを適当に書いています。

2019年 立教大学理学部 第四問の問題

何で突然、立教大学?と思われる人もいると思うが、知り合いが立教大学だったのでなんとなく過去問を解いてみた。

この問題は数学科のみの出題になっている。問題は基本的な良問だといえる。必要十分条件を求める如何にも数学科らしい問題である。とても丁寧な誘導がついており、数学科を目指すひと以外も解いておいて損はないと思う。

(1)求める範囲Xが直角二等辺三角形に条件を求める。直角二等辺三角形になるためにはx軸と直線lの角度が45°になる必要がある。すると、この直線lは傾きが1であることが分かる。また、直線lに対して点Pと点Aは対称なので、直線lと点Pと点Aを結んだ直線PAは垂直に交わる。これから次の式が成立する。

 { \displaystyle l:y=x+n }

直線PAの傾きは次になる。

 { \displaystyle \begin{equation} a = \frac{b}{a-1} \end{equation} }

これを直線の式の公式に当てはめると次がでる。

 { \displaystyle \begin{equation} y= \frac{b}{a-1}(x-1) \end{equation} }

この二つの直線が垂直に交わるので互いの傾きの積は-1になる。

 { \displaystyle \frac{b}{a-1} = -1 } これを整理して、条件を加えたものが求める条件になる。

 { \displaystyle a + b = 1 } 0<a<1,0<b<1 これが求める条件である。

(2)直線lの式を {\displaystyle y=mx+n }とすると、直線lと直線PAの直交条件は次になる。

 {\displaystyle \begin{equation} \frac{bm}{a-1} = -1 \end{equation} }

これを整理するとmに解くと次になる。

 { \displaystyle \begin{equation} m = \frac{1-a}{b} \end{equation} }

また、点Pと点Aの中点は必ず直線L上にあるので次が成り立つ。

 { \displaystyle \begin{equation} \frac{b}{2} = \frac{1-a}{b} \frac {a+1}{2} + n \end{equation} }

これをnについて解くと次になる。

 { \displaystyle \begin{equation} n = \frac{a^2+b^2-1}{2b} \end{equation} }

(3)直線lが正方形の辺OAとの交点持つためには、直線lとx軸の交点が {\displaystyle 0\leqq x\leqq 1}あればよい。直線lの式はaとbで表すと次のような形なので、この式にy=0をして条件を計算する。

 {\displaystyle \begin{equation} y = \frac{1-a}{b}x + \frac{a^2+b^2-1}{2b} \end{equation} } これにy=0を代入してxについて解くと次になる。

 {\displaystyle \begin{equation} x = \frac{a^2+b^2-1}{2(a-1)} \end{equation} }

これが {\displaystyle 0 \leqq x \leqq 1}にあるので次を計算すると求める範囲がでる。

 {\displaystyle 0 \leqq a^2+b^2-1 \leqq 2(a-1) }

 {\displaystyle 0 \leqq (a-1)^2 + b^2 \leqq 1 }、 0<a<1、0<b<1

(4)今度は辺ABと直線lが交わる条件を求める。(3)と同様に考えるとx=1の時のyの値が {\displaystyle 0 \leqq y \leqq 1}になれば良い。x=1の時の値を計算すると以下になる。

 {\displaystyle \begin{equation} y = \frac{(a-1)^2 + b^2}{2b} \end{equation}}

この値が0以上1以下になる範囲を求めると次のような範囲になる。

 {\displaystyle 0 \leqq (a-1)^2 + (b-1)^2 \leqq 1}、 0<a<1、0<b<1

(5)範囲Xが三角形になるための条件を求める。三角形になるためには直線lが辺OAと辺ABと交わればよい。これは(3),(4)の条件を合わせたものである。よって以下の範囲になる。

0<a<1,0<b<1, {\displaystyle 0 \leqq (a-1)^2 + b^2 \leqq 1 } {\displaystyle 0 \leqq (a-1)^2 + (b-1)^2 \leqq 1}

(6)求める範囲は(5)の範囲で不等号をすべて\leqqに置き換えたものである。図示をすると、ちょうど半径1、中心角\pi/4の扇形から、高さ・底辺1の直角二等辺三角形を抜き取ったものの面積の2倍ということが分かる。よって、計算をすると、

 {\displaystyle S = 2(\pi/4 - 1/2) = \pi/2-1 }